7話。VS台湾選抜

遂に全道大会決勝戦!!

台湾選抜との試合が始まった。

俺達は後攻で

俺は1番ショートでスタメン。

相手は高身長に加え、ガタイも良く

なにやら軟式なのにプロテクターを着けて打席に立つ始末。

軟式でプロテクター見たことねぇ…カッコいいなんて思ったもんだ笑

初球、いきなり打球が外野に飛んで

「ボフッ」とフェンスに直撃

まじかこいつら…

打球スピードも今まで見てきた「それ」とは違った。

っていうか、台湾の中学校の年齢制度が日本と違くてさ

日本は15歳で中学三年生だけど

台湾じゃ17歳で中学三年生扱いらしいのよ笑

実質台湾の高校選抜と試合してるよーなもんだろこんなの…

って嘆いた。

でも決勝戦まできたんだ

相手が「台湾」なら、俺達しか勝ち残った「日本」はいない。

だが無情にも初回に3失点

俺達はこの全道大会中は全試合に置いて先制し、1度もリードを許したことはなかった。

初めての追いかける立場だ

台湾選抜は、そりゃあ強いとは思っていたが

実際に対峙すると、より「強さ」を感じた。

1回裏。先頭打者は俺だ。

台湾のピッチャーは本格派右腕だった

135キロくらいのスピードは出ていたと思う

カウント2-3からの外角のボール球に手が出て三振。

なにやってんだよぉ…てか球はぇぇ

1番打者は出塁が命

この先制された裏の攻撃なら尚更。

あっという間に三者凡退で守備につく

ある程度安打を打たれるも

最小失点に抑えながら凌いでいって

5回の攻防まで進み、0-5のビハインド。

相変わらず相手ピッチャーを捉えられず

得点圏のチャンスはほぼ無かったが

この回はチャンスがめぐってきた

野球は攻撃が7回あれば

必ず一回はターニングポイントとなる

チャンスがめぐってくる。

ここだ。ここしかない!!!

今までで培ってきた「野球感」が叫んだ

1アウトランナー1、2塁で

俺に打席が回ってきた。

俺は迷わず右打席へ

チームメイトや監督は「???」

って感じだったな笑

俺は中学三年生で左打ちへ変えた

青木宣親選手への憧れが強すぎたゆえに笑

もちろん練習はめちゃくちゃしたよ

付け焼き刃とは言わないけど

もともと右利き

左打ちのバットコントロールの精度は高かったと思うが

どうしても「パワー」が足りなかった。

滅多に見ない130キロ後半の球速に対して

パワーで対抗するしかなかったんだ

この判断をこの場面で行動に移すのは

正直ばかで身勝手

だけど結果を出せばヒーロー扱い

この考えすら俺には無かった笑笑笑笑

本物のばかだ

当時のおれの考えは恐らく

確率の高い方を選択しただけ。

こう思ったんだろう

実際この試合2打席とも左打ちで凡退

三振にサードフライ

話にならない内容だった。

ここで一矢報いてやる!!!!

久しぶりの右打席

景色が違った

感覚的なものだとおもうが

右打席の方がヒットゾーンが狭く感じる

現にアベレージを残す打者は

左打者の割合が多い

右投手に対して左打者が有利という見解も一利あるが

俺は左打席は本当にヒットゾーンが広く見える。

あっやべぇ打てるかな💦

この場面のこの選択

間違ったかな…

そう考える間もなく

外角のストレートを初球打ち

身体が反応したってこーゆーことだとおもった

しっかり芯で捉えたが振り遅れに加え

球速に若干力負けの打球がライトへ。

ライナーの打球にライトが前進してくる

落ちろ!!!!!

ハーフバウンドでライトがキャッチ

キターーーーーーー!!!

これで満塁のチャンス!!!

この場面を安打で繋げられたのは

かなり美味しい仕事になっただろう。

最低でも二点はほしいところ

1アウト満塁。

この回だ!!!

次回VS台湾戦決着