3話。「ゾーン」突入!!!

負けたくない

負けたら終わり

勝ちたい

絶対出塁しなきゃ…

初球は変化球を見逃しストライク

やべぇ……

手が出なかった訳じゃない

手を出したくなかった

打てないのが怖いからだ。

このままじゃ結局追い込まれて

打たされて終わりだ

いいのか?これが最後の打席かもしれない。

薄々わかってはいる

この打席が最後で、恐らく負ける

最悪でもあと2点

この回で取らないと…

なんて考えてたら2球目のモーションが入った

外角のストレートを振り抜き

ファールボール。

追い込まれたーーー

もう何も考えられなかった。

がむしゃらに食らい付くしかない。

 

気付いたら2ストライク3ボールまで粘っていた。まじで。笑

四球も頭をよぎったが、打つつもりしかなかった。

ライバルのピッチャーも力んだ声を出して投球してきた。ストレートだった

 

そしたら音が消えて

ボールが止まったんだ。一瞬だけ。

熱湯甲子園のキーポイントの無音シーンみたいにさ!!わかるかな?笑

打球は右中間真っ二つ

気付いたら三塁ベースにスライディングしていた。

ベンチをみると大盛り上がり笑

ノーアウト三塁のチャンス!!!

ここからなら追い付ける。

2番打者は浅いライトフライでタッチアップ出来ず

3番打者はサードゴロ

俺はホームへ走ってしまった

今でも正解はわからない。

圧倒的余裕のアウトのタイミングだった

が!!!

サードは1塁への送球を選択

そして!それが暴投になったのだ…!!

おれはホームイン

これで1点差

打ったランナーは2塁へ到達!

1アウト2塁のチャンスまでこぎつけた。

 

甲子園とかでよくある

最終回の追い上げって不思議と有るんだよね

接戦になればなるほど。

でも

ここまでだった。

2アウト3塁まで追い詰めたが

一本が出ず

2-3で敗北

負けた

後にも先にも、野球人生において

敗戦して泣かなかったのはこの日だけだった

悔しかったが、やりきった感と妙に試合に納得したんだろう。中学生のくせに笑

俺の中体連は終わりかー

部員はみんな泣いていた。

 

優勝したメンタル軍団はその後

全道の決勝戦まで勝ち残り、敗戦した。

準決勝の試合で

あのライバルが完全試合達成して

北海道新聞に載ってた。

すげぇな…

後からわかったんだが3年生が4人しか居なかったチームだった。

底力が半端ねぇわ…

 

それからは高校の進学でも考えるか~

どうしようかな~

なんて考えていた

そんな俺に思いもよらない

急展開が待っていた!!!